バスの重量や回転半径は?コミュニティバスの現状についても解説

バスの重量ってどれくらい? 有名なバスを例に挙げて解説

特にバスの重量について気になっている人も多いです。バスは特に車両によってまったく重さが変わってきます。そこで、バスの重量について焦点をあてて、解説していきます。

小型バスの重量

ハイエース・コミューター

まずは、比較的に小型のバスであるハイエース・コミューターの重量について解説していきます。ハイエース・コミューターの重量は、約2トンです。

ハイエース・コミューターは、車両に14人の座席を有しています。特に初期の頃のコミュニティバスとして、広いシェアを誇っていたバスです。Lクラスのミニバンとさほど変わらない重量です。

中型バスの重量

三菱ローザ

三菱ローザの重量は、約4トンとなっています。乗ることができる客数は29人です。コミュニティバスとして有名なのが、この三菱ローザになります。

特に定員数が増えるので、車両重量と総重量の差が、先のハイエース・コミューターに比べると大きくなります。総重量となると、約5.5トンです。

日野ポンチョ

日野ポンチョの定員は、三菱ローザよりも10人増えて39人になります。近年では、こちらの日野ポンチョのほうが、三菱ローザよりもコミュニティバスとして広く知られるようになっています。

車両重量は約5トン、総重量となると7トンほどです。

三菱エアロミディ

こちらは路線バスとして、日頃よく走っているバスです。定員は57人になります。かなりの人数を乗せることのできる車両になっています。全長は9mほどです。

車両重量は、約8トン。総重量となると、約11トンに及びます。
三菱エアロミディにぐらいなってくると、中型自動車をしのぐ重量になります。

大型バス

三菱ニューエアロスター

こちらは、日本全国で非常に有名な大型路線バスです。定員は、運転手も含めて81人に及びます。全長は約11mです。

車両重量は約10トンで、総重量は約15トンになります。

三菱ニューエアロクイーン

三菱ニューエアロクイーンは、観光バスとして有名で、旅行の際に乗ったことがあるという人も多いです。定員は運転手を含めて62人となっています。

重量は約13トン、総重量は約16トンです。

車両重量についてまとめ

これまでの項目で、大体のバスの重量のイメージがつかめたはずです。やはり、バスは大きさに比例して重量も大きくなっていきます。そして、大きいほうが、たくさんの人を乗せることができるようになるため、重量と総重量の差も大きくなる傾向があります。

バスの回転半径ってどれくらい? バスの種類別に紹介

そもそも、回転半径という言葉を知っているでしょうか。 回転半径とは、特にバスが回転するときに描く軌道の半径です。つまり、小回りが利くかという数値だといっていいでしょう。

特に、思い切りハンドルを切って、回転した際の半径を、最小回転半径と呼んでいます。そして、この最小回転半径の値が、バスの性能を表す1つの指標ともなっているわけです。

バスは、一般的な車両に比べて車体が大きいため、回転半径の値も大きくなります。

よく道路でバスが曲がるときに、大きく車体を張り出しているのを、見たことがある人も多いでしょう。バスが曲がるときには、思った以上に道幅がないとぶつかってしまいます。

通常の道路は、大体道幅4mほどとなっています。特に住宅街を通る道路などはそういった道幅です。

路線バスの場合

そして、多くの路線バスの全長は約11m。幅は2.5mといったところです。この路線バスは、数学的な計算でいくと、幅4mの道路から同じ幅の道へは壁に激突してしまって曲がることができません。

この路線バスの最小回転半径が、約8mに及ぶためです。

コミュニティバスの場合

三菱ローザや日野ポンチョといったコミュニティバスの場合には、先の事例のような4mの道幅どうしへの進入も可能です。

ただし、それは道路の条件によっても左右されます。というのも、かなりぎりぎりであるからです。完全に幅4mきっかりの道路へは曲がることができません。

三菱ローザの最小回転半径は6.5mなため、必要な道幅は4.2mになります。日野ポンチョの最小回転半径は、7.7mですから、三菱ローザよりも、もう少し広い道幅がなくては曲がれません。

日野ポンチョの前に主流となっていたモデルである日野リエッセのほうが、最小回転半径は優秀です。日野リエッセの最小回転半径は、5.8mでした。日野ポンチョよりも2m近く小さかったわけです。

日野リエッセが生産中止になった今でも、その価値が続いているのは、こういった事情があります。それこそ、道幅によっては日野ポンチョが通行不可でも、リエッセなら通行か可能なこともあったりします。

ハイエースコミューターの最小回転半径は、6.1mです。ワゴン型のバスですが、日野リエッセよりは小回りが利かないものだといえます。

コミュニティバスの人気が拡大中

ハイエースのシェアが拡大

コミュニティバスの代表格がハイエースです。ハイエースは特に100系から200系へと大型化を遂げています。

100系は全長5.2m、幅1.8mでした。200系となると、全長5.4m、幅1.9mに拡大しています。特に200系の発売してすぐの頃は、15人乗りも販売されていました。

特にバリアフリー関連の法律によって、車椅子が乗り降りできるようなハイエースも開発されています。

また、安全面の理由から、運転席の隣の補助席も撤廃されたモデルもあります。

たとえば愛知県長久手市のN-バスにも導入されたり、そのシェアもまた拡大中です。特に今まであった日野ポンチョと肩を並べる存在になっています。

小牧市では、日産NV350キャラバンが採用されています。こちらは、ワンボックスタイプのコミュニティバスです。 今まではワンボックスタイプはあまり採用しているところがなかったのですが、これからはこういったワンボックスタイプのものも増えていくと予想されます。

ハイエースが人気な理由とは?

これは、コミュニティバスの利用者が増えて、路線が網の目のように拡がっているためだといえるでしょう。

たとえば、幅7mのバスが通れない道は、単純にバスが通れないからという理由で回避され、路線も通らないことが、ひと昔前までは当然でした。

しかし、今ではそれも変わっています。コミュニティバスの利用者が増えるにしたがって、簡単にバスが通れないという理由だけで、路線を少なくすることが許されなくなっているわけです。

特に高齢化が進んでいる地域では、バスがなければ生活ができない人も大勢います。そういったなかで、バスの大きさを理由に路線を通さないことは、社会的な常識に照らしてありえません。
バスが通れないなどと、軽々しく言えなくなっています。しかし、現実問題、いえなくても今あるバスが通れないことには変わりはありません。

そういった事情から、ワンボックスタイプのバスであるハイエースのようなものが、どんどん需要を増しています。

高齢化に伴ってバスは小型化が進む

特に高齢化が進む地域にあっては、次第にバスの小型化が進むことは間違いありません。大きいバスだと、前項でも話した最小回転半径の関係から、そもそも通れない道が多くあります。

高齢化が進む地域では、特に道幅が狭い道路が多く、しかしバスは自宅前まで行かなくては意味がありません。このような条件のもとで、より小回りが利くハイエースのようなバスが、今後も重宝されていくでしょう。そしてさらに、より小さなバスが開発されていくはずです。

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